合宿・水俣市民大学2008 


水俣市民大学の講義録(要点のみ) 詳細は報告書をご覧ください

【講義1】 水俣の暮らしとチッソ株式会社について  山下善寛さん(元チッソ第一組合執行委員長)
 ・山に囲まれて農林業や漁業が盛んだった水俣村、塩田が工場に
 ・工場での過酷な労働と身分制度、水俣病問題と労働組合
 ・安定賃金闘争がもたらした地域社会の分断、環境・福祉・健康を大切にするまちづくりへ
【講義2】 水俣学入門  原田正純さん(熊本学園大学社会部福祉学部)
講義風景  ・水俣病がなぜ公害の原点なのか? 環境汚染と生物濃縮
 ・水俣病事件発生初期の原因究明
 ・母親の直感から示唆を得た胎児性水俣病の証明
 ・世間に蔓延する「水俣病=重症」というイメージの功罪
 ・生活暦からたどる水俣病、「軽症」といえど日常生活には支障が
【講義3】 持続可能な地域社会の構築と「水俣学」 1 水俣の産業廃棄物処分場問題
  宮北隆志さん(熊本学園大学水俣学研究センター)
現地センター  ・水俣病事件、環境首都の取り組み、最終処分場建設計画問題
 ・環境首都、環境モデル都市を目指す
   ⇒水俣病事件に向き合ってきた地域の人びとの目に見えない力
 ・「産廃阻止!水俣市民会議」の活動
 ・業者が計画を撤回、行き場をなくしたは廃棄物はどこへ?
【講義4】 最終処分場の環境汚染調査  中地重晴さん(環境監視研究所)
 ・家庭から出るごみ「一般廃棄物」と事業活動による「産業廃棄物」の量と埋立地の残余年数
 ・最終処分場の特徴と構造、各地で起こる環境汚染、香川県豊島の産業廃棄物不法投棄事件
【講義5】 改めて、水俣病被害とは何か  花田昌宣さん(熊本学園大学社会福祉学部)
 ・「水俣学」とは? 専門分野に逃げ込まず、立場を明らかにし地域に成果を還元する現場主義
 ・地域や家族との関係性で変わる水俣病被害を捉えなおす、水俣病問題に「解決」はない
【講義6】 化学物質とのつきあい方  中地重晴さん(環境監視研究所)
 ・PRTR制度と身の回りにあふれる化学物質、化学物質管理の国際的動向
【講義7】 持続可能な地域社会の構築と「水俣学」 2 水俣・芦北地域戦略プラットフォームの取り組み
  宮北隆志さん(熊本学園大学水俣学研究センター)
 ・人びとが住み続けたいと思える地域づくり、自然・人的資源を生かした経済活性化
 ・現地研究センターを情報発信・交流の拠点に、「ごみ減量リサイクル市民フォーラム」の開催へ
【講義8】 ゼロウェイスト円卓会議/水俣ごみステーション調査
  藤本延啓さん(熊本学園大学水俣学研究センター)
22分別  ・ごみ自体をなくす、バックキャスティング(最終目的を決めて計画)
 ・ゼロウェイスト宣言都市・上勝町の活動報告
 ・ごみ22分別の限界、分別・リサイクルからリユース・リデュースへ
 ・「給茶スポット」で水俣のお茶をアピールしペットボトルを減らそう!
【講義9】 水俣病事件の今  花田昌宣さん、原田正純さん(熊本学園大学社会福祉学部)
 ・繰り返される「解決」宣言と裁判、政治決着と関西訴訟、病気の発症による困窮と差別の悪循環
 ・現在の認定制度、今も続く裁判:正面から向き会わない行政、病気と認めないが救済はする
 ・環境(公害)問題と障害者問題、有名な親子の写真「もう休ませてやりたい」:
   障害のある子が生まれないように環境を守ろうというキャンペーンのまやかし
   障害のあるなしに関わらず命を大切にする取り組みを
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